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ハンドブック モモの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。

果実赤点病

Ellisembia sp.
《病原》糸状菌 《発病》果実

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果実赤点病
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梗あ部に発生した小斑点 Ⓒ尾形正

果実赤点病
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1~2mm程度の小斑点が生じるが、腐敗はしない Ⓒ尾形正

果実赤点病
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カイガラムシ類による被害に似ているが、吸汁痕がないので識別できる Ⓒ尾形正


被害

本病は主に果実に発病して商品性を低下させる。着色期直前から径1〜2mm程度の赤色小斑点を生じるが腐敗はしない。果実では収穫期に近づくと小斑点は濃度を増し暗赤色となる。小斑点は果実の梗あ部〜赤道部に多く、病斑は収穫期まで増加する。

発生

本病の発生は中山間地など、周囲に雑木林などが隣接していると発生が多い傾向がある。伝染源は主として枝に表生する分生胞子によるものと考えられ、分生胞子は東北南部では5〜9月まで降雨とともに飛散し、果実への感染は落花後〜収穫期まで感染を繰り返す。特に梅雨期の6〜7月に降雨が多いと果実被害も多くなる。

防除

本病原菌は落花後からの分生胞子飛散に伴い感染するので、硬核期前までの早い時期に摘果を済ませ、遮光性の高い二重袋などを用いて被袋すると有効である。また、前年収穫後の果梗や枝の褐変・枯死部で越冬するので剪定時に剪除する。

収録:防除ハンドブック「 モモの病害虫

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