診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。
夜間、収穫期を迎えた果実の芳香に誘引され、成虫が飛来して吸汁加害する。このような被害を生じるガの総称である「果実吸ガ類」には多くの種類があり、健全な無傷の果実に、針状にとがった口器を刺して加害する一次加害種と、病害虫や衝撃などで傷付き、軟化・腐敗した果実を加害する二次加害種に分けるが、熟度が進んだ健全な果実を二次加害種が加害する場合もあり、これらは厳密な分類ではない。
果実吸ガ類の主要な種類であるアカエグリバは、卵、幼虫、成虫の3態で越冬し、カミエビを食草とする幼虫は5~6齢を経過して蛹化、成虫となり、四国地方で年間3~4世代を繰り返すとする報告がある。成虫の寿命は平均30日間程度であり、瀬戸内地方のモモやナシ、ブドウ、イチジクなどが混植された果樹園では、6月下旬から7月中旬にかけて成虫の飛来が増え、その後、いったん、減少するが、8月にはより多く個体の飛来が認められている。
代表的な果実吸ガ類の成虫の開張は、アカエグリバが50mm程度、アケビコノハが100~110mm程度、ヒメエグリバが40mm程度である。果実吸ガ類の種類は多く、大きさや色彩などは様々である。
殺虫剤の散布による防除はあまり効率的ではない。一方で、コストや作業性などに影響が無ければ、7.5mm以下の目合いの網でおおうことは有効である。夜間の黄色光照射には高い効果が認められているが、影ができないように園内を均一に照射する必要がある。
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