診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。
成虫が若芽、花、葉、果実および新梢を食害する。また、幼果に孔を開け産卵し、ふ化幼虫は果実内を摂食して成長する。成虫は産卵果が落果するよう、果柄をかじって傷をつける。山間部や林野に近い園で発生が多い。
多くは年1回の発生で、一部が2年に1回発生する。幼虫または成虫で地中の土繭内で越冬する。土中で羽化し、リンゴの開花期頃から地上に脱出する。成虫は幼果ができるまでは花そうの基部やつぼみ、子房、葉を食害し、交尾が始まる落花10日後頃から幼果を加害する。雌成虫は長い口吻で幼果に深さ3mm程度の穴を開けその中に産卵し、排泄物で蓋をする。幼虫は果実内で成育し、老熟すると果実から脱出し、土中に潜り土繭を作る。秋に蛹化して、成虫になった個体はそのまま土繭の中で越冬し、翌年地上に脱出する。2年に1回発生する個体は秋に蛹化せず幼虫のまま越冬し、翌年の春、夏を老熟幼虫のまま過ごし、秋に蛹化する。
成虫の体長は口吻を除き約10mm。全体が濃赤紫色で光沢を帯び、同色の微毛をやや密に生じる。頭部前面の口吻は長く突出している。幼虫は全体が乳白色でやや黄色みを帯び、体長約12mm。卵は長径約0.6mmの楕円形で乳白色を呈する。
落花期以降~5月中下旬(幼果期)に薬剤を散布する。産卵されて落果した果実は集めて水に浸漬するか、土中深く埋めて果実内の幼虫を殺す。
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