診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。
幼虫が枝幹部に食入して形成層を食い荒らし、被害樹は衰弱する。寄生数が甚だしいと枯死する場合がある。食入孔からは虫糞や虫糞の混ざったアメ状の樹脂が漏出する。食入初期は樹皮下の比較的浅い部分にいて小型の糞粒を排出するが、成長にともない糞粒は大きくなり、樹脂も褐色の塊状になる。
幼虫が樹皮下で越冬する。越冬時の幼虫の発育程度は不ぞろいであるため、その後の発育にも差が生じやすく、羽化は長期にわたる。幼虫は3月頃から活動を始め、老熟すると樹皮下の浅い部分に糸で木くずをつづって、楕円形の繭を作り、その中で蛹化する。羽化するときは半身を幹の外に出すため、羽化殻は外から確認できる。年1~2回発生で、暖地では年2回発生であり、6月と9月に成虫発生ピークがみられる。年1回発生の場合、成虫は5月頃からみられ、8月~9月頃に最盛期となり、10月には少なくなる。成虫は日中活動し、日焼け等でできた樹皮の裂け目や傷口に産卵する。卵からふ化した幼虫は樹皮の裂け目や皮目などから食入して、少し成長してから食害孔先端部に薄い繭を作って越冬に入る。
成虫は体長約15mm、開張約30mm、体は黒色で、腹部の第4節と5節は黄色。両翅は透明である。幼虫は乳白色を呈する。
薬剤防除は、幼虫の食入防止と食入した幼虫の殺虫を目的に行う。幼虫の食入防止は成虫発生盛期に薬剤を枝幹部に十分量かかるよう丁寧に散布する。この防除を実施しなかった場合またはこの防除を実施しても虫糞排出が認められる場合は、食入した幼虫を対象に防除を実施する。食入幼虫に対しては、収穫後(10月頃)または発芽直前に寄生部位へ樹幹散布する。また、本種の密度を抑制するための交信かく乱剤も有効である。
稲の病害虫と雑草 |
ムギ類の病害虫 |
豆類の病害虫 |
ジャガイモの病害虫 |
サツマイモの病害虫 |
アブラナ科野菜の病害虫 |
トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |
キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
イチゴの病害虫 |
ネギ類の病害虫 |
菜園の病害虫 |
カンキツの病害虫 |
リンゴの病害虫 |
日本ナシの病害虫 |
西洋ナシの病害虫 |
モモの病害虫 |
カキの病害虫 |
ブドウの病害虫 |
花の病害虫 |
難防除雑草