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ハンドブック モモの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。

ケムシ類


アメリカシロヒトリ

Hyphantria cunea チョウ目ヒトリガ科 《加害》葉、幼果など

マイマイガ(ブランコケムシ)

Lymantria dispar チョウ目ドクガ科 《加害》葉、幼果など

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アメリカシロヒトリ幼虫 Ⓒ内田一秀

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アメリカシロヒトリ被害樹 Ⓒ内田一秀

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幼果を加害中のマイマイガ幼虫  Ⓒ内田一秀

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マイマイガ老齢幼虫 Ⓒ内田一秀

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産卵中のマイマイガ雌成虫 Ⓒ内田一秀


被害

主に葉を食害する。

発生

アメリカシロヒトリは年間2~3世代の発生である。山梨県ではフェロモントラップへの雄成虫の誘殺は、4月下旬~5月、7月、8月と3回観察される。幼虫は7齢を経過するが、4齢までは樹上に網を張り、その中で群生して葉を食害する。その後は巣網を離れて分散し、単独で食害する。マイマイガは年間1世代の発生である。春になると越冬した卵塊から幼虫がふ化し、5月頃になると幼虫による食害が目立つようになる。幼虫は通常6齢を経過した後、蛹化する。成虫は地域によっても異なるが7~8月にかけて発生する。地域的に大量発生することがあり2~3年ほど続くが、その後は自然に減少する。

形態

アメリカシロヒトリの成虫は、体長約15mmで白い翅をもつ。ただし、越冬世代の雄成虫については、翅に褐色や黒色の小さな斑点が散在することが多い。雌成虫は葉裏に表面が白毛でおおわれた卵塊を産下する。ふ化幼虫は、淡黄色であるが、発育が進むと背面が灰黒色、体の側面は灰黄色となり、胸部と腹部には黒色のこぶが並んで白く長い毛が生える。マイマイガの雌成虫は開張約6~7cmで白~乳白色,雄成虫は開張約4~6cmで褐~黒褐色の翅をもつ。卵塊は長径3~5cm程度の楕円形で,表面は褐色の雌成虫の鱗毛でおおわれている。別名のブランコケムシは,幼虫が糸を吐いてぶら下がることに由来し、風に乗って移動するとされる。老齢幼虫の背面には、前方が青色、後方が赤色のこぶがあり、白色の毛が生える。

防除

幼虫発生期に合わせた殺虫剤の散布による防除が中心となる。また、アメリカシロヒトリの若齢幼虫の集団を巣網ごと剪除して焼去する方法や、マイマイガの越冬卵を除去する方法も有効である。

収録:防除ハンドブック「 モモの病害虫

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