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ハンドブック モモの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。

せん孔細菌病

Xanthomonas arboricola pv. pruni
《病原》細菌 《発病》葉、果実、枝

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せん孔細菌病
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幼果期の発病 Ⓒ尾形正

せん孔細菌病
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生育中期の発病果実 Ⓒ尾形正

せん孔細菌病
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生育中期の発病果実 Ⓒ尾形正

せん孔細菌病
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収穫期の発病果実 Ⓒ尾形正

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収穫期の発病果実 Ⓒ尾形正

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葉のせん孔症状 Ⓒ尾形正

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葉のせん孔症状 Ⓒ尾形正

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春型枝病斑 Ⓒ尾形正

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ネクタリンのせん孔細菌病発病果実 Ⓒ尾形正


被害

本病は葉、果実、枝を侵す。葉では、はじめ多角形でカスリ状の斑点、後に病斑部は脱落・せん孔する。多発時には落葉する。枝では主に芽近傍の皮目を中心に斑点を形成し、後に褐色のへこんだ病斑になる。果実は、はじめは褐色の小斑点、後に拡大して黒褐色、不整形の果肉にくいこんだ病斑になって商品性を損なう。本病はモモ生産における最大の阻害要因であり、過去より産地移動に大きく影響してきた。本病を克服できなければ産地形成は困難である。

発生

前年秋期の感染枝・芽で潜伏越冬し、翌春3〜4月に気温上昇に伴い病原細菌は増殖を始め、春型枝病斑を形成する。ここから病原細菌は雨滴とともに溢出・分散し感染する。葉は展葉直後から感染し、落花10日〜20日後頃から発病する。果実は結実直後から感染し、幼果には落花2〜3週間後頃から褐色〜黒色の針で突いたような極小斑点をつくる。感染〜発病までの期間は気象条件によるが最短で4〜5日、通常は10〜15日程度である。早生〜中生種では見かけ上、感染しても収穫時までに発病しないことがあるが、晩生種では感染機会が長く目立った発生となる。基本的に現在の栽培品種に耐病性品種はない。

防除

開花期〜落花10日後頃に春型枝病斑は徹底的に剪除する。例年発病が多い園では薬剤散布だけでは十分な防除効果をあげることは困難であり、雨除けハウス、防風ネット設置、早めの袋かけなどの耕種的対策は必須である。

収録:防除ハンドブック「 モモの病害虫

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