診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
果皮の一部が黒褐色の不整形になって腐敗し、表面に黒緑色ビロード状に胞子が形成される。果実内部は軟化・腐敗して黒褐色の菌糸が進展している。ネーブルや不知火では果頂部から腐敗することが多い。伊予柑では果梗部から病原菌が侵入するため内部の腐敗がかなり進行するまで果実表面に症状が現れず、早期発見が難しい。温州ではどの部位からでも発病する。
病原菌は小黒点病を引き起こす菌と同じで、園内に普通に存在し、日中に空中を飛散している。枯草上で増殖するので秋季に菌密度が高くなり、速効性の除草剤を処理した後に急増する。強風雨や霜害、寒害などで果皮に傷が付いたり、傷んだりした部位から感染し、潜伏している。伊予柑ではヘタ部に病原菌が潜伏している。すぐには発病せず、貯蔵期間が長くなるにつれて発病してくる。温州みかんではまれに収穫前や貯蔵初期の果実に発生することがある。
貯蔵前の予措を十分に行う。貯蔵庫が高湿にならないように管理する。
ベフラン、ベフトップジン。緑かび病や軸腐病を対象にしたベンレート、トップジンMの単用散布は本病の発生を助長するので、多発が予想される場合には、これらの薬剤を混用する。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
目次へ戻る | 病害画像インデックス | 害虫画像インデックス | ホームへ戻る
稲の病害虫と雑草 |
ムギ類の病害虫 |
豆類の病害虫 |
ジャガイモの病害虫 |
サツマイモの病害虫 |
アブラナ科野菜の病害虫 |
トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |
キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
イチゴの病害虫 |
ネギ類の病害虫 |
菜園の病害虫 |
カンキツの病害虫 |
リンゴの病害虫 |
日本ナシの病害虫 |
西洋ナシの病害虫 |
モモの病害虫 |
カキの病害虫 |
ブドウの病害虫 |
花の病害虫 |
難防除雑草