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カンキツの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

褐斑細菌病

Pseudomonas syringae pv. syringae
《病原》細菌  《発病》葉・果実

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褐斑細菌病
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伊予柑に点発した状況

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黒褐色病斑と明瞭で幅の広いハロー

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幼果の赤褐色病斑


被害

春葉に暗緑色水浸状の葉脈に囲まれた不整形病斑が形成され、拡大すると落葉する。幼果には赤褐色の小病斑が形成され、大部分は落果する。樹上に残った果実の病斑はコルク化する。

発生

自然条件では伊予柑のみに発生する。感染時期は春葉の展開期で、比較的低温条件で発病し、15℃前後が適温である。25℃以上では発病しない。6月中旬以降、病斑は黒褐色の円形から不整形になり、周辺部を明瞭で幅の広い黄色のハローが取り巻く。気温の上昇にともなってハローは消える。前年に形成された病斑からの伝染は認められない。

防除

細菌病のため有効な薬剤が少なく、薬剤に頼った防除では不十分なので、防風対策と伝染源除去を徹底する。風当たりの強い園では防風垣や防風ネットの整備が必須である。剪定時に発病枝葉の剪除を徹底する。夏秋梢に対してはミカンハモグリガの駆除を徹底し、発病枝は剪除する。春葉に発病させないことが果実発病を防ぐために必須で、発芽1か月前〜春葉展葉終了時までの散布を徹底する。果実に発病してからの散布では手遅れである。薬剤の残効期間は、ボルドー液で30日(累積降雨量で200mm)、銅水和剤で20日(同150mm)程度なので、この点を考慮して次回の散布を実施する。台風の襲来が予想される場合、襲来後の散布では効果が劣るので、襲来の2〜7日前に散布する。新植園では発病苗を持ち込まず、ミカンハモグリガの駆除を徹底する。

薬剤(農薬)

登録薬剤はないが、かいよう病を対象に薬剤防除を行うと同時に防除される。

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 カンキツの病害虫

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