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カンキツの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

炭疽病(さび果病)

Colletotrichum gloeosporioides
《病原》糸状菌  《発病》果実・葉

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炭疽病(さび果病)
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日焼けの初期症状(炭疽病)

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日焼け部位からの発生(炭疽病)

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極早生温州の発生初期(炭疽病)

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貯蔵中の果実に形成されたサーモンピンクの胞子塊(炭疽病)

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葉身に発生した症状(炭疽病)

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甘夏のさび果症状(さび果病)

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摘果痕周囲に発生したさび果症状(さび果病)

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涙斑状のさび果症状(さび果病)


被害

炭疽病は極早生や早生温州果実の日焼け部や付傷部から発病する。褐色の病斑が拡大し、多湿時には表面にサーモンピンクの胞子塊が形成され、その後、落果する。収穫時に発病していなくても、選果場や出荷中に発病することがある。一方、さび果病は樹上で越年した中晩柑の果実に1月を過ぎる頃から褐色〜赤褐色の微細な斑点が発生する。貯蔵中も病斑は拡大し、3月過ぎから激しくなる。濃厚感染の場合、流れたような涙斑状や泥塊状の病斑を形成する。収穫時は未発生であっても貯蔵後期の3〜4月頃になると発生する。

発生

果実成熟期に長雨で日照不足が続き果皮が軟弱になった状態で、その後に天候が回復して強い直射日光を受けるとその部位が日焼けを起こす。その結果、果皮組織が傷み、潜在感染していた病原菌が急速に繁殖して腐敗する。収穫や選果の際に生じる付傷部でも同様に発病する。日焼け果は園地や園内の場所、樹によって発生状況が異なり、土壌の保水力が悪い園地や場所、細根量の少ない樹で多発する。さび果病の伝染源は枯枝で、9〜10月の降雨時に大量の胞子が飛散して感染する。多雨は発生を助長する。感染後は潜伏しており、発病は翌年の1月以降となる。枯枝の多い老木樹や衰弱樹で発生が多い。

防除

炭疽病では有機物を施用して土壌の保水力を高めるとともに、細根量を増加させ、日焼果を抑制する。さび果病は黒点病に準じる。

薬剤(農薬)

炭疽病には収穫前にベンレート、ベフトップジン。
さび果病には幼果期〜果実肥大期にデラン、マンゼブ、有機銅。

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 カンキツの病害虫

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