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カンキツの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

灰色かび病

Botrytis cinerea
《病原》糸状菌  《発病》果実・貯蔵・葉

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激発した花弁上に形成された大量の胞子

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花と春葉の発病

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葉の褐色同心円状の病斑

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幼果の症状

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幼果のコルク症状

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白くコルク化した病斑

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白くコルク化した病斑(拡大)

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ハウスミカンの果実発病

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貯蔵中の発病果実


被害

落弁期の花弁に灰色のかびを生じ落花を助長する。多発すると着果数が減少する。発病した花弁が春葉に付着すると褐色同心円状の病斑が形成され落葉するが、実害は少ない。発病花弁が幼果期まで果面上に残ると果実にかさぶた状の傷ができ、肥大につれて拡大して白くコルク化し、商品価値が低下する。温州みかん、特に極早生では花数が多く、花弁の離れが悪いので多発する。花弁が落ちやすい中晩柑での発生は少ない。貯蔵中にも発生し、果実が腐敗する。

発生

病原菌は多犯性で、多くの作物で発生する。開花期〜落弁期に曇雨天が続くと発生が助長される。降雨量が多いときよりも降雨回数が多い場合に多発する。施設栽培の開花期前後は多湿状態になりやすいので多発する。貯蔵果実に発生すると隣接果に次々に伝染していき被害が拡大する。

防除

最初は花に発病するので人為的に花弁を落とすことが有効である。落花・果を防ぐためには満開〜落弁期の薬剤散布が重要である。この時期の防除がうまくいくと花弁の発病は少なく、花弁が離れやすくなり傷果が発生することはない。発病花弁が果実に付着しているときは果実の傷を防ぐために一次落果期に再度散布する。貯蔵中は発病果の早期除去を徹底する。

薬剤(農薬)

カナメ、ストロビー、ナティーボ、ナリア、パレード、ファンタジスタ、フルーツセイバー、フロンサイド、有機銅など。
施設栽培の専用剤としてスミレックス顆粒くん煙、ボトキラー、ロブラールくん煙など。

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ

・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 カンキツの病害虫

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