診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
新芽表面に産下された卵がふ化し、幼虫は葉内に食入する。表皮組織を食害しながら葉肉内を不規則に曲がりくねって進む。食害痕は白い曲線のように見えることから「エカキムシ」と呼ばれる。多発すると葉が巻いて奇形となり新梢の生育が著しく悪くなる。被害葉は葉肉内に雨水が入りやすく、かいよう病の発生を助長する。葉と同様の被害が幼果に発生する場合もある。
越冬は西南暖地では成虫で行われるが、本州などでは明らかになっていない。卵、幼虫(4齢)、蛹を経て成虫になる。春葉の被害は比較的少ない一方で、7月以降に発生する夏秋梢では多発する傾向がある。
一般の結果樹では夏秋梢の発生は少なく、冬季に切除してしまうため、防除は不要である。しかし、夏秋梢を多数発生させる苗木、隔年結果樹、かいよう病の発生が懸念される場合などは防除が必要である。これらの樹では新梢の発芽直後から生育に合わせて7~10日間隔で登録薬剤を散布する。苗木では粒剤の施用も効果的である。合成ピレスロイド剤抵抗性群が確認されているので薬剤の選択に注意する。西南暖地では春葉に発生するので5月下旬頃に防除が必要な場合がある。
アクタラ、アグリメック、アドマイヤー、アルバリン、エクシレル、オリオン、カスケード、スタークル、スピノエース、ダントツ、ディアナ、マッチ、モスピランなど。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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