診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
本種はハダニ類の世界的な天敵である。我が国では2000年代に急速に分布を拡大し、薬剤抵抗性を発達させていることから、現在では慣行防除のカンキツ園で普通に見られる。発生はミカンハダニの発生と同調し7〜9月に増加する。この時期に雌成虫は1日にミカンハダニ卵を10個以上捕食し、2〜3個の卵を産下する。卵から成虫までは7〜10日で発育する。雌成虫の体長は約0.35mmで空腹時は白色だが、ミカンハダニの卵を捕食すると、朱色となる。ハダニ以外にもアザミウマなどの微小害虫を捕食する。
ミカンハダニの天敵として2種のケシハネカクシが知られているが、ほとんどが本種である。成虫は体長約1.5mmで黒色、幼虫は白色である。ハダニ類のスペシャリスト天敵であり、成虫は1日あたり60〜100個のハダニ卵を捕食する。カンキツ園へはミカンハダニが増加した後に飛来し、ミカンハダニの発生を減少させる。本天敵が見られる場合はネオニコチノイド剤、合成ピレスロイド剤、有機リン剤等の殺虫剤の使用を控える。
成虫は体長約1.2mmで黒色、幼虫はあずき色である。ハダニ類のスペシャリスト天敵であり、成虫は1日あたり200〜300個のハダニ卵を捕食する。成虫は5月頃からカンキツ園に見られるようになり、低密度でもミカンハダニの発生を抑制する。カンキツ園でミカンハダニ密度が増加する夏季には幼虫も発生する。多くの殺虫剤は本種に影響するが、コテツ、スタークル、キラップは影響が小さい。
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