診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
病原はウイロイドで、ウイルスとは異なる。カラタチ台木部の外皮に亀裂が入り、樹皮が鱗片状にはがれてくる。地上部の生育が悪くなり、果実は小玉化し、収量も低下する。葉や枝に症状は出ない。枯死することはまれである。ユズ台では発病しない。
病原を保毒している穂木をカラタチ台に接木あるいはカラタチ台の樹に高接ぎすると発病する。保毒苗木の植付けも同様である。感染力がきわめて強いため、剪定バサミやノコ、接木ナイフで高率に伝染する。アブラムシ等の媒介昆虫はいない。感染後、台木部に症状が現れるまでに5年程度を要するので苗木や幼木では症状の確認はできない。レモンやグレープフルーツなどの外来のカンキツに発生が多い。
高接ぎ用の穂木は無毒樹から採取する。苗木は無毒であることが確認されたものを植付ける。保毒が疑われるときは検定を行い、保毒の有無を確認する。遺伝子診断によって正確で迅速な結果が得られる。検定は最寄の関係機関に依頼する。土壌伝染しないので、発病樹は早めに抜き取って無毒樹に植替える。発病樹や保毒樹がある場合、ラベル等で目印を付けて区別し、その樹専用の剪定バサミ、収穫バサミを用い、健全樹への伝染を防ぐ。発病樹を剪定したハサミやノコ等は塩素系漂白剤(家庭用ハイターなど)の原液に数秒間漬けて、よく水洗いすると病原ウイロイドを不活化できる。
適用登録薬剤なし。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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