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カンキツの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

イセリヤカイガラムシ

Icerya purchasi
カメムシ(半翅)目ワタフキカイガラムシ科  《加害》葉・枝

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成虫

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葉への寄生の様子

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排泄物により、すす病が発生する

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イセリヤカイガラムシの天敵、ベダリアテントウムシ成虫

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ベダリアテントウムシ蛹

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ベダリアテントウムシ幼虫


被害

雌成虫の体長は4~6mmで成熟すると綿状の卵のうを形成する。幼虫と雌成虫が枝や葉裏の葉脈に沿って寄生し、吸汁加害する。大量の甘露を排出するため、すす病の原因となる。多発すると枝の枯死を引き起こし、樹全体が枯死に至ることもある。

発生

幼虫と成虫で越冬し、年2~3世代を繰り返す。1齢から雌成虫までの各発育態が歩行移動する。寄主範囲が広く、カンキツの他に多くの樹木に寄生する。

防除

幼虫の発生時期の6月下旬と8月下旬に登録薬剤の散布を行う。多発すると枝の分岐部などに虫が折り重なって薬剤がかかりにくいので、事前にブラシでこすって虫を除去するとともに、多寄生枝を切除する。明治時代に海外から導入された有力な天敵であるベダリアテントウムシが生息しているので、保護に努める。特に発生園では4~5月はできるだけ殺虫剤散布を控える。施設内では薬剤の天敵への影響が長期にわたるので、殺虫剤の選択に注意するとともに不要な薬剤散布は控える。ベダリアテントウムシの発生が確認されれば、1か月程度でイセリヤカイガラムシの密度は低下する。

薬剤(農薬)

コルト、モスピラン、モベントなど。

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 カンキツの病害虫

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