診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
葉、果実、枝にいぼ型やそうか(かさぶた状)型の病斑が発生する。温州みかんは弱く、中晩柑での発生は少ないが、レモンは弱い。いぼ型病斑は春葉の伸長中期までに発生し、そうか型病斑は伸長終了後も発生する。果実では果径1cmまではいぼ型病斑、それ以上になるとそうか型病斑を形成する。
旧葉の病斑で越冬し、発芽期から降雨のたびに伝染する。気温が低く、降雨回数が多いと多発する。春葉病斑が果実の重要な伝染源である。春葉の病斑上に大量の胞子が形成されるので、春葉での発生が少なくても果実で多発することが多い。果実の感受性は落弁後が最も高く、肥大するにつれて発病しにくくなる。密植園や谷間など湿度の高い園で多発する。発生は9月頃まで続くが、商品価値に影響を与えるのは7月までの発生である。
春葉での発生を抑えるために剪定時の発病葉梢の剪除と展葉初期(最も伸びた春芽が1cm程度の時期)の薬剤散布が重要である。旧葉に発病がない場合には落弁期のみの散布で十分。ただし、その後に発生を認めたときは6月中旬に再度の散布が必要となる。
展葉期はデラン、かぶれる場合はストロビー。落弁期は灰色かび病、黒点病との同時防除をねらいストロビー、ナリア、ファンタジスタなど。ただし、春葉の発生が多いときはデラン、フロンサイド。
幼果期には黒点病との同時防除をねらってデラン、フロンサイドなど。デランやフロンサイドにかぶれる場合はストロビー、ナティーボ、ナリア、ファンタジスタ、フルーツセイバーなど。
なお、落弁期以降のデランとマシン油乳剤の近接散布で果実に薬害が発生する。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)
・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ
・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ
・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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