診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
裂開病は塊根が縦方向に深く割れてくぼみ、外観品質を著しく損なう。
塊根は土壌中の肥料的要因あるいは土壌硬度、土壌水分や温度等の各種要因によって生理的な障害が発生することがある。その障害発現機作は複雑で、原因を特定することは難しい。裂開病(裂開症状)の発生には塊根形成初期の土壌温度、土壌水分の影響が大きい。肥大が旺盛な塊根形成初期に乾燥条件下で急激に吸水すると裂開が誘発され、その後の低温や乾燥条件下では塊根の割れた部分が治癒しにくいため発生する。サツマイモネコブセンチュウによる被害も塊根表面が割れるが、裂開病(裂開症状)のくぼんだ部分の表皮は正常であり、センチュウ被害のように黒変を伴うことはない。
適度な深耕による土壌物理性の改善、カリ過剰にならないような適正な施肥管理と有機物の施用による土作り(地力低下防止)、適正な栽培管理(極端な密植や疎植および早植えや晩植えは避ける)、良質苗(7節7葉)の使用を基本とする。裂開病(裂開症状)の発生は気象要因に大きく影響されるため、苗の定植は一時期に集中せず、適正な範囲のなかで定植時期に幅を持たせる。
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