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サツマイモの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ハスモンヨトウ

Spodoptera litura
チョウ目ヤガ科

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ハスモンヨトウ
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成虫(前翅長:約16mm) ©林川修二

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老齢幼虫(体長:約40mm) ©林川修二

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卵塊 ©林川修二

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若齢幼虫 ©林川修二

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若齢幼虫の食害(白変葉) ©林川修二


被害

幼虫が葉を食害する。若齢幼虫は葉裏を集団で摂食し、食害部は白く透けたようになる。中・老齢幼虫の食害はナカジロシタバ、エビガラスズメと類似し、葉脈や葉柄を残して食い尽くすようになる。被害が問題となるのは9~10月であるが、一般的にナカジロシタバより発生密度が低い。

被害作物

サツマイモのほか、ナス科・ウリ科の果菜類、イチゴ、ダイズなどのマメ類、サトイモなどの根菜類、アブラナ科などの葉菜類、キクなどの花き類など。

生態

年4~6回発生する。休眠性がないため寒さに弱く、加温施設や暖かい地域では幼虫が土中に潜り越冬する。また、梅雨期などに成虫が海外から飛来するとされる。中齢幼虫以降は日中はマルチ下などに潜り、夜間に出現し摂食する個体が多い。1雌当たりの産卵数は1,000~3,000粒で数十~数百粒ずつ3~6卵塊に分けて産卵する。25℃条件下では卵4日、幼虫19日、蛹14日程度を要する。全国に分布する。

防除

合成性フェロモンを利用した発生予察に基づき、ナカジロシタバとの同時防除を行う。薬剤によっては感受性が低下しているため、本種が優占種の場合は薬剤選定に注意し、若齢期に防除する。

薬剤(農薬)

カーバメート剤(オリオン)、ジアミド剤(フェニックス、プレバソン、ベネビア)、スピノシン剤(ディアナ)、生物農薬(サブリナ、ゼンターリ、デルフィン)、マクロライド剤(アニキ、アファーム)、IGR剤(アタブロン、カスケード、ノーモルト、ファルコン、マトリック、マッチ、ロムダン)、その他(アクセル、グレーシア、コテツ、トルネードエース、プレオ、ブロフレア)など。※掲載している薬剤(農薬)は 2021年3月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 サツマイモの病害虫

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