診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
幼虫が葉を食害する。若齢幼虫は葉裏を集団で摂食し、食害部は白く透けたようになる。中・老齢幼虫の食害はナカジロシタバ、エビガラスズメと類似し、葉脈や葉柄を残して食い尽くすようになる。被害が問題となるのは9~10月であるが、一般的にナカジロシタバより発生密度が低い。
サツマイモのほか、ナス科・ウリ科の果菜類、イチゴ、ダイズなどのマメ類、サトイモなどの根菜類、アブラナ科などの葉菜類、キクなどの花き類など。
年4~6回発生する。休眠性がないため寒さに弱く、加温施設や暖かい地域では幼虫が土中に潜り越冬する。また、梅雨期などに成虫が海外から飛来するとされる。中齢幼虫以降は日中はマルチ下などに潜り、夜間に出現し摂食する個体が多い。1雌当たりの産卵数は1,000~3,000粒で数十~数百粒ずつ3~6卵塊に分けて産卵する。25℃条件下では卵4日、幼虫19日、蛹14日程度を要する。全国に分布する。
合成性フェロモンを利用した発生予察に基づき、ナカジロシタバとの同時防除を行う。薬剤によっては感受性が低下しているため、本種が優占種の場合は薬剤選定に注意し、若齢期に防除する。
カーバメート剤(オリオン)、ジアミド剤(フェニックス、プレバソン、ベネビア)、スピノシン剤(ディアナ)、生物農薬(サブリナ、ゼンターリ、デルフィン)、マクロライド剤(アニキ、アファーム)、IGR剤(アタブロン、カスケード、ノーモルト、ファルコン、マトリック、マッチ、ロムダン)、その他(アクセル、グレーシア、コテツ、トルネードエース、プレオ、ブロフレア)など。※掲載している薬剤(農薬)は
2021年3月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
稲の病害虫と雑草 |
ムギ類の病害虫 |
豆類の病害虫 |
ジャガイモの病害虫 |
サツマイモの病害虫 |
アブラナ科野菜の病害虫 |
トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |
キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
イチゴの病害虫 |
ネギ類の病害虫 |
菜園の病害虫 |
カンキツの病害虫 |
リンゴの病害虫 |
日本ナシの病害虫 |
西洋ナシの病害虫 |
モモの病害虫 |
カキの病害虫 |
ブドウの病害虫 |
花の病害虫 |
難防除雑草