診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
幼虫が葉を食害する。苗床と圃場で発生し、若齢幼虫はつる先の未展開葉や展開したばかりの葉へ点々と小孔を空け、中・老齢幼虫は葉脈と葉柄を残して食い尽くすようになる。被害が激しいと塊根肥大が抑制され、収量が低下する。圃場での被害は8~9月が最も大きい。また、多発すると圃場内の葉を食い尽くして周辺に移動するため、隣接する宅地などでは不快害虫として問題となる。
関東以西では年3回、西南暖地では年4回発生する。成熟幼虫が土中に潜って前蛹で越冬する。鹿児島では4~5月に羽化し、幼虫は第1世代が5~6月、2世代が6~7月、3世代が8~9月、4世代が9~10月に発生し、第3~4世代の被害が大きい。関東でも8~9月の3世代の被害が問題となる。1雌の産卵数は400~500粒で、25℃条件下では卵4日、幼虫18日、蛹18日程度を要する。関東以西の各地に分布する。
薬剤の効果は幼虫の発育に伴い低下するので若齢期に防除する。つる先の未展開葉の被害が発生の目安になる。
カーバメート剤(オリオン)、ジアミド剤(フェニックス、プレバソン、ベネビア)、スピノシン剤(ディアナ)、マクロライド剤(アニキ)、IGR剤(カスケード、ノーモルト、ファルコン、マトリック、マッチ、ロムダン)、その他(アクセル、グレーシア、トルネードエース、プレオ、ブロフレア)など。※掲載している薬剤(農薬)は
2021年3月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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