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サツマイモの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

トビイロヒョウタンゾウムシ(ハイイロサビヒョウタンゾウムシ)

Scepticus uniformis
コウチュウ目ゾウムシ科

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トビイロヒョウタンゾウムシ(ハイイロサビヒョウタンゾウムシ)
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成虫(体長:6.5~8.2mm) ©林川修二

トビイロヒョウタンゾウムシ(ハイイロサビヒョウタンゾウムシ)
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老齢幼虫(体長:約8mm) ©林川修二

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幼虫頭部 ©林川修二

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蛹 ©林川修二

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幼虫の被害 ©林川修二

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古い食害痕(治癒している) ©林川修二


被害

幼虫が塊根を食害する。被害痕は塊根の表面にみられ、幅が2~4mm、深さ3~4mmで不規則に蛇行し、コガネムシ類の食害と類似する。しかし、コガネムシ類の食害は幅が太く加害部が粗いのに対し、ゾウムシの食害は細く加害部は小さく丸くえぐり取られているので区別できる。7~8月に掘り取る早植栽培で被害が多い。

被害作物

サツマイモのほか、ジャガイモ、ラッカセイ、ウリ類、アブラナ科野菜、ゴボウ、ニンジン、フダンソウ、ホウレンソウ、クワ、コウゾ、タバコ、ソリダゴ。

生態

年1回発生する。成虫、幼虫が土中で越冬し、越冬成虫は4月中旬頃から活動を始める。産卵は5月上旬頃から6~8月頃まで続き、1雌当たりの産卵数は約940粒である。成虫によるサツマイモ葉の被害は少なく、後翅の退化により飛翔もできないため、圃場周辺の雑草(ヨモギ、アレチノギクおよびカラスノエンドウなど)を摂食して蔵卵した個体が歩いて侵入し、産卵すると考えられる。ふ化後の幼虫は細根を摂食するが、中齢幼虫になると塊根を摂食するようになる。25℃条件下では卵14日、幼虫60日、蛹14日程度を要する。新成虫は8月頃から発生するが、そのまま土中に留まり越冬することが多い。羽化後に地上に出現すると10月頃から雑草や冬作物の株元、枯れ草の下などで越冬する。関東以西に分布する。

防除

前年に被害を受けた圃場では周辺の密度が高いことが予想される。春先の越冬後成虫の出現時期に圃場周辺部の畦畔や雑草地は定期的に草刈りを行い、密度を低下させる。

薬剤(農薬)

ダントツ、ノーモルト。※掲載している薬剤(農薬)は 2021年3月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 サツマイモの病害虫

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