診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
幼虫が葉、葉柄、茎、塊根内を食害する。被害葉は食入部が黒変し、微量の糞が付着しているので分かりやすい。茎は食害されると空洞になり、地際部は著しく肥大し、木質化するためもろくなり、台風などで折れてしまうことがある。被害株は枯死することはなく、葉も黄化しない。塊根の加害はまれであるが、食入すると不規則に曲がりくねった孔道をつくり、糞をしながら暴食し、アリモドキゾウムシやイモゾウムシより被害が大きい。
年4~5回発生する。成虫は4月上旬頃からみられ、発生は4~5月と9~10月に多い。卵は葉裏や葉柄に1卵ずつ産みつけられ、ふ化幼虫が産卵場所かその付近から食入し、主脈から葉柄を経て茎に移行する。その後は皮部のみを残して地際部まで食い進み、株元の地面に大粒の糞を排出する。成熟幼虫は食孔内に脱出孔を作り、繭の中で蛹になる。1雌当たりの産卵数は約130粒で、卵は5~7日、幼虫は25~46日、蛹は13~17日を要する。奄美大島以南の南西諸島に分布する。
本種はアリモドキゾウムシ、イモゾウムシと同様に特殊病害虫に指定されており、発生地からの生の寄主植物の移動が禁止されている。防除はアリモドキゾウムシ、イモゾウムシと同様に耕種的防除に重点をおく。
本種に対する登録薬剤はない。※掲載している薬剤(農薬)は
2021年3月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)
・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ
・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ
・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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