診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
育苗期の苗床で発生した場合には、萌芽した新芽は下葉から黄化して萎れ、落葉する。症状が著しい場合、新芽は枯死に至る。また、外観上健全な苗でも本病に罹病していると畑に定植すると、やがて地際部の茎は縦に大きく裂け、典型的なつる割症状を呈して枯死することが多い。
つる割病は土壌中の糸状菌の一種によって引き起こされ、種いもで伝染する。本病は定植後の汚染土壌からも伝染するので、過去に発病をみた畑では健全苗を用いても栽培期間中に害虫や野鼠等の食害痕から感染し、発病することがある。
本病に対しては品種間抵抗性の差が大きく、ベニコマチや紅赤等の品種は極めて弱い。ベニアズマは中程度の抵抗性を有しており、高系14号やその選抜品種は本病に強い。 本病の防除には農薬を用いた定植前苗消毒の効果が高く、土壌伝染の防除には各種土壌くん蒸剤を用いた土壌消毒が有効である。また、採苗用のハサミやナイフを通じて保菌苗から健全苗に伝染することがあるので、保菌苗から採苗しないように注意するとともに、ハサミやナイフは次亜塩素酸カルシウム剤(ケミクロンG)等で消毒して用いる。
ベンレート、クロルピクリン剤、バスアミド、キルパーなど※掲載している薬剤(農薬)は
2021年3月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)
・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ
・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ
・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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