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ジャガイモの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

菌核病(きんかくびょう)

Sclerotinia sclerotiorum
≪病原≫糸状菌  ≪発病≫花弁・葉・茎

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菌核病(きんかくびょう)
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発病初期の茎の症状Ⓒ田中文夫

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水浸状に腐敗した茎Ⓒ全農教

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開花後に茎葉に落下した花弁に白色で綿毛状のかびを生じ、その周囲が水浸状に腐敗するⒸ全農教

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茎葉の症状Ⓒ全農教

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茎の罹病部は乾燥して白色となり折れやすいⒸ全農教

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茎の症状と菌核(黒色の不整形でねずみの糞状)Ⓒ清水基滋


被害

開花後に茎葉に落下した花弁に白色で綿毛状のかびを生じ、その周囲が水浸状に腐敗する。そのほかに農作業や倒伏に伴う茎葉の傷口、老化した下葉からの発病も見られる。茎葉での病斑はあまり拡大せずに乾燥して白色となり、発病茎は折れやすくなる。そのような茎の内外には黒色で不整形でねずみの糞状の菌核が形成される。激発しない限り実害は少ない。

被害作物

多犯性で、ジャガイモなど30科100種以上に感染する。

発生

罹病茎葉で越冬した菌核が第一次伝染源である。菌核に生じた子のう盤(小型のきのこ)上の胞子が空中を飛散して花弁や老化組織に感染する。発病した後は菌糸が増殖して健全茎葉に次々と伝染してまん延する。茎葉の過繁茂や倒伏、7,8月の低温多湿条件は発生を助長する。

防除

連作、多肥栽培を避ける。
農作業等で茎葉の損傷を避ける。
多発生時には薬剤防除を行う。

薬剤(農薬)

スクレタン、スミレックス、トップジンM、フロンサイド、ミニタン、ロブラール※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ

・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 」

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