診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
地下茎、根、ストロン(ほふく枝)、塊茎を侵害し、地上部には感染しない。茎では成熟期に地際部が暗灰色~褐色に腐敗し、乾燥が進むと折損しやすくなる。また病斑部には黒色の小斑点(菌核)を密生する。葉は黄化して早期枯凋の原因となる。また、根やストロン(ほふく枝)も腐敗して、茎と同様の小斑点を形成する。塊茎でははじめ小さな褐色斑点を生じ、それが多湿のもとでしだいに拡大し、直径3~6mmの円形~楕円形の陥没病斑となる。病斑部は浅くコルク化するが、内部まで深く侵害することはない。個々の病斑は散在するか融合して不整形となり、芽部におよぶと萌芽遅延を起こす。塊茎の発病は貯蔵後に目立つことが多く、収穫時には見られない。塊茎表面があばた状のために商品価値が著しく低下し、種いもでは不萌芽の原因となるなど被害が大きい。
ジャガイモのほか、トマト、ナス、ピーマンに根腐れを起こす。
病原菌は罹病残渣に付着して土壌中で越冬し、土壌伝染するほか、種いも伝染する。土壌中の菌核は2年間生存可能とされる。また本菌は病原性が弱いため、作物がストレスを受けて活力が低下した時に感染・発病する。塊茎での発生生態は明らかでないが、凍霜害による障害塊茎や多湿条件下で貯蔵した塊茎で発生が多い。本菌の生育適温は20~24℃である。
無病種いもを使用する。輪作、適正な肥培管理を行う。
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