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ジャガイモの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

乾腐病(かんぷびょう)

(1)Fusarium oxysporum
(2)Fusarium solani subsp. eumartii
(3)Fusarium solani subsp. radicicola
≪病原≫糸状菌  ≪発病≫塊茎・貯蔵

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乾腐病(かんぷびょう)
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塊茎表面の症状。陥没病斑が生じているⒸ田中文夫

乾腐病(かんぷびょう)
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発病塊茎の内部。空洞が生じているⒸ田中文夫

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発病塊茎の切断面。生じた空洞部には白色~淡紅色のかびが見られるⒸ田中文夫

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塊茎表面の症状。乾燥に伴ってしわを生じ、乾固するⒸ谷井昭夫

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塊茎表面に生じた白色のかびⒸ全農教

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塊茎内部の褐変Ⓒ全農教


被害

主として貯蔵中や催芽時に塊茎の傷口や打撲による損傷部、ストロン基部(ほふく枝が塊茎から出る部分)を中心とした陥没病斑が現れる。病斑は12℃以下の乾燥条件では緩慢に拡大するが、多湿な場合には急激に水浸状に腐敗が進む。病斑はやがて灰色~褐色~黒褐色を呈して腐敗し、乾燥に伴ってしわを生じ、乾固する。塊茎内部には空洞部ができ、そこに牛肉の“サシ”に類似した白色~淡紅色のかびを密生する。罹病塊茎表面は多湿時には二次的な腐敗菌により軟腐することもある。催芽時に高温多湿になると種いもが激しく腐敗することがあるほか、罹病いもを植え付けると土壌中で腐敗して欠株の原因となるなど被害が大きい。

被害作物

主としてジャガイモに発生するが、菌種によってはサツマイモ、ムギにも寄生する。

発生

病原菌は主として土壌伝染する。土壌中で数年間は生存可能で、収穫・選別に伴う傷口を主体に感染し侵入する。除草剤による茎葉枯凋処理によるストロン基部(ほふく枝が塊茎から出る部分)の損傷からの発病も多い。

防除

無病種いもを使用し、連作を避ける。種いもの収穫は付傷や打撲を与えないように丁寧に行い、十分に乾燥後に貯蔵する。

薬剤(農薬)

適用登録薬剤なし※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ

・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 」

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