診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
幼虫が葉を食害する。成虫が飛来して葉に産卵し、ふ化後の幼虫が食害する。卵塊から孵化した若齢幼虫は、集団で葉裏から表皮を残して食害する。成熟幼虫になると摂食量が多くなり、葉に穴を開けて食い荒らすので被害が大きい。広食性であり、様々な植物を加害する。
ヨトウガは全国に分布し、年1~3回発生する。成熟幼虫は体長40~50mmになり、土壌中の蛹で越冬し、暖地では3~5月に成虫が羽化する。雌成虫は交尾後、葉の裏に数十~数百個の卵を卵塊として産卵する。幼虫は5~6月に孵化し、約1ケ月で蛹化する。北海道以外の地域では、そのまま夏眠して9~10月に成虫が羽化する。 ハスモンヨトウは耐寒性が低く、温暖な地域で年4~6回発生する。越冬は温暖な一部地域のみに限られており、春先の個体数は少ない。雌成虫は夜間に数十~数百粒の鱗毛に覆われた卵を塊として葉裏に産卵する。暖地では5~6月および9~11月に幼虫が発生する。中齢~成熟幼虫になると昼間は株元などに潜み、夜間に活動し食害する。幼虫の発生量は、年次間差が極めて大きく、春先から高温・少雨の年は増殖量が多くなり、秋季に大発生することがある。
幼虫は齢が進むと薬剤の感受性が低下するので、若齢幼虫期に薬剤防除を行う。なお、防除は、幼虫が寄生する葉裏に薬液が十分かかるように行う。
散布剤:オルトラン・ジェイエース、ディアナSC、フェニックス、プレオ、ベネビア、マッチ、BT水和剤(サブリナ、ゼンターリなど)
更新かく乱剤:ヨトウコンーH、コンフューザーV※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
稲の病害虫と雑草 |
ムギ類の病害虫 |
豆類の病害虫 |
ジャガイモの病害虫 |
サツマイモの病害虫 |
アブラナ科野菜の病害虫 |
トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |
キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
イチゴの病害虫 |
ネギ類の病害虫 |
菜園の病害虫 |
カンキツの病害虫 |
リンゴの病害虫 |
日本ナシの病害虫 |
西洋ナシの病害虫 |
モモの病害虫 |
カキの病害虫 |
ブドウの病害虫 |
花の病害虫 |
難防除雑草