診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
成虫および幼虫が新芽や葉の裏に寄生し吸汁加害する。発生数が増加すると生育が抑制される。被害が進むと茎葉が黄化し落葉して減収となる。多発すると大量の排泄物により、すす病が発生して、植物体の同化作用を阻害する。また、ジャガイモYウイルス(モザイク病)や葉巻ウイルス(葉巻病)などのウイルス病を媒介して大きな被害を起こす。
有翅虫が飛来し、茎葉に定着すると増殖に適した無翅雌虫が発生する。ワタアブラムシは葉裏に群集して寄生することが多い。気温が高く、少雨で乾燥が続く年は増殖しやすい。アブラムシ類は通常、雌成虫のみによる単為生殖を行うが、寒冷地では秋に雄成虫が出現して産卵雌虫と交尾し産付された卵で越冬する。暖地では主に胎生雌虫で越冬し、春先に雑草地などで増加して飛来源となる。寄主植物は多岐にわたる。
植付時および発生初期に薬剤防除を行う。なお、散布剤は葉裏まで十分かかるように噴霧する。ただし、アブラムシ類には土着の寄生蜂や捕食性天敵が多数存在し、密度抑制のため有効に働いているので、天敵に影響が少ない農薬の使用や使用法が望ましい。また、インセクタリー植物 insectary plants(ムギ類、ソルゴーなど)を圃場の近くに植栽すると、これらの土着天敵を定着・温存・増殖させる効果があり有効である。
土壌混和剤:アクタラ、アドマイヤー、モスピラン
植付後の散布剤:アドマイヤー、ウララ、オルトラン・ジェイエース、コルト、ダントツ、チェス、モスピラン※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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