診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
はじめ1~数本の茎葉が萎凋し、特に頂葉が生気なく下垂する。葉色も淡く褪せて葉が内に巻く。やがて葉全体が褐色~黄褐色になって枯死に至る。茎やストロン(ほふく枝)の維管束は黒あし病と同様に褐変するが、それらの部位に汚白色の粘液(細菌塊)が見られるのが特徴である。新塊茎ではストロン基部や芽部が暗褐色を呈して腐敗し、菌泥を土壌中に放出する。罹病茎などをガラスコップにいれた清水につけるとすぐ~数分で切り口から白色の菌泥が出るので簡易診断できる。腐敗臭はあまりない方である。 軽症の時は維管束の褐変に留まるが、病勢が激しいと新塊茎のほとんどが腐敗するため、著しい減収被害となる。
病原細菌は土壌中で3~4年以上生存して土壌伝染するほか、新塊茎の維管束内に潜んで種いも伝染する。土壌中の病原菌は農作業などで生じた根の傷口から 感染し、導管部で増殖して茎上部に至るほか、ストロン(ほふく枝)を経由して新塊茎に侵入する。本病は平均20℃、多湿条件で初発し、降雨の後に最適生育温度である32~37℃が続くと多発する。病原菌は病原性により5レースに、生理型(バイオバー)では5系統に類別される。
無病種いもを使用する。 抵抗性品種の導入あるいはイネ科等の非寄主作物による4~5年の輪作を行う。圃場の排水に努める。小面積では土壌消毒も有効。
土壌消毒剤にはD-D、クロルピクリン、ドロクロール。散布剤にはバリダシン※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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