診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
成虫はジャガイモを加害しないが、幼虫が塊茎に侵入して食害する。コメツキムシ類の幼虫は光沢がある硬い表皮を持ち、針金のような細長い体形であることから、「ハリガネムシ」と呼ばれ、ジャガイモを加害する種類は10種類程度が知られる。植付後の種イモが被害を受けると、発芽が阻害されたり生育が抑制される。新イモに幼虫が食入すると、針金で突き刺したような被害痕が残り商品価値を下げる。また被害イモは腐敗しやすいので貯蔵ができない。被害は局所的に発生することが多い。いずれの種も多食性であり、根菜類やトウモロコシ、ムギ類、イネ科牧草などを食害する。
卵からふ化した幼虫は、土壌中で2~3年かけて成長し、最終年の6~7月に蛹化し成虫になる。雌成虫は、交尾後に土壌中に産卵する。成虫は敵から逃れるため、偽死行動(死んだふり)をする。また、裏返ると、パチンという音をたてて飛び跳ね、起き上がる。マルクビクシコメツキは全国の火山灰土や沖積土地帯に発生する。トビイロムナボソコメツキとコガネコメツキは北海道に多く、前種は泥炭土地帯、後種は植土地帯に発生する。
発生が多い圃場では、薬剤防除を行う。被害が少ない作物との輪作を行う。
土壌くん蒸剤:クロルピクリン※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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