診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
幼虫が、根や塊茎に侵入して定着し、根や塊茎表面にゴール(こぶ)を形成する。線虫密度が高くなると、寄生を受けた根は養水分の吸収が阻害されて生育不良となり、塊茎肥大が抑制されて収量が減少する。また、塊茎の表面が傷害を受けて商品価値がなくなる。線虫の侵入口から土壌病原菌が感染して被害を出す。被害作物の範囲は広い。
キタネコブセンチュウは、北方系の線虫であり、耐寒性が高く、寒冷地を中心に発生する。 サツマイモネコブセンチュウは耐寒性が低く、関東以南で発生が多い。主に土壌中の卵のう内の卵で越冬する。寄主植物が植付けられると、卵からふ化した幼虫が、根の表面に穴を開けて侵入する。雌成虫は根の表面に卵のうを形成し、内部に数百個の卵を産む。
発生が多い圃場では、植付前に土壌消毒を行う。線虫が寄生した塊茎を種いもに使用しない。非寄主作物(イネ科など)との輪作を行う。対抗植物(ギニアグラス、クロタラリアなど)を植栽する。
くん蒸剤:クロルピクリン、ソイリーン、ダブルストッパー、テロン、D-D
植付時土壌混和剤:石灰窒素、ネマキック、ビーラム・ネマクリーン、ネマトリンエース、パストリア(生物農薬)
定植時土壌灌注剤:パストリア(生物農薬)※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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