診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
幼虫が、茎葉や塊茎を食害する。若齢幼虫は葉を食害するが実害は少ない。中齢~成熟幼虫になると、昼間は土壌の浅いところに隠れ、夜間に地上に出て活動し、株の地際部を噛み切るように食害する。生育期に被害を受けると被害が大きく、枯死に至ることもある。成熟幼虫になると摂食量が多くなり、1晩のうちに数株を加害するようになる。また、土壌の浅いところにある塊茎に穴を開けて、内部を食害し被害を出す。
西日本ではカブラヤガが多く、東日本ではタマナヤガの発生が多い。暖地では中齢~成熟幼虫や蛹で枯葉の下や土壌中で越冬し、春先に成虫が羽化する。両種とも耐寒性が低く、寒冷地では越冬できないので、北日本における発生は、長距離飛来した成虫が発生源となる。雌成虫は交尾後、雑草の地際部に1~2個ずつ産卵する。ふ化した幼虫は主に雑草を食べて大きくなる。幼虫は中齢~成熟幼虫になると体色が濃くなり、土壌と見分けがつきにくくなる。また刺激を受けると、丸くなって動かなくなり、敵から身を守る。終齢幼虫は土壌に潜り、土繭の中で蛹化する。幼虫は広食性で年間2~4回発生し、5~6月と10~11月に発生が多い。
発生に注意し、薬剤防除を行う。また、見つけ次第、捕殺する。雑草が多い圃場には発生が多いので、雑草を生やさないようにする。
土壌くん蒸剤:クロルピクリン、ドロクロール
植付前土壌混和剤:ダイアジノン
散布剤:ガードベイト、ネキリベイト、バイオトピア(生物農薬)※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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