診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
罹病種いも由来の発病では、萌芽直後から6月中旬までに茎葉が退色、萎凋して幼茎のままで枯死することがある。しかし、一般的な症状は開花期以降に見られる。最初に下葉から始まるしおれがしだいに上葉におよぶ。葉に不明瞭な濃淡の斑入りが現れ、葉縁はわずかに内に巻き、黒褐色を呈する。この症状は一般的に株の1~2本の茎で見られる。罹病塊茎では内部の維管束部がチーズ様の黄色に変色することが特徴的である。圃場での迅速な診断にはstem ooze法およびtuber ooze法が有効である。すなわち、罹病茎の地際切断部を強く圧迫した時に乳白色汁液が溢出する、あるいは塊茎断面を圧迫した時に維管束部の崩壊があれば本病と診断できる。本病は1947年に国内で発見され植物防疫法の検査対象となった重要病害で近年の発生は極めてまれであるが、今後も監視が必要である。
自然発病植物はジャガイモだけである。
維管束部に保菌した種いもが唯一の感染源となる。土壌伝染はしない。また、切断刀によって健全塊茎に高率に伝染する。病原細菌の生育適温は21~24℃,発病適温は18~24℃で、26℃以上では抑制される。なお本菌はジャガイモ細菌病で唯一、グラム陽性菌である。
無病種いもを使用する。切断刀や汚染器具の消毒(ケミクロンG等)を行う。
適用登録薬剤なし※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)
・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ
・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ
・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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