診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
イチゴの株全体が萎縮し、葉が叢生する。はじめ若い葉の葉縁が退緑し、やがて全葉に広がる。新しい展開葉は1/10程度に小さくなり、幅1~2mmの典型的な葉縁退緑症状となり、杯状になることが多い。未展開葉の裏側が赤みを帯び、葉表も赤化することがある。果実は小さく、奇形、着色異常を生じ、軟化して酸味が強く商品価値がなくなる。根は広範囲に組織が部分的に枯死し、黒褐色になる。このような病徴はランナーを通じて親株から子株へと伝染する。紅ほっぺ、とちおとめ、章姫、さちのか、女峰に発生が認められている。
本病はバクテリア様微生物の感染によって引き起こされ、我が国では2004年以降に愛媛県、千葉県、北海道で発生が報告された新病害である。本圃では2月に株全体の萎縮叢生、葉縁の退緑、果実の奇形等の症状を引き起こす。フランスではヒシウンカによって媒介し、春と晩夏~初秋の時期に感染する可能性が高いと報告されているが国内では確認されていない。我が国では異なる種の昆虫によって媒介されると考えられている。
伝染様式や媒介虫などの生態的知見は少なく、防除対策もない。
登録薬剤なし。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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