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イチゴの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

芽枯細菌病

Pseudomonas marginalis pv. marginalis
《病原》細菌 《発病》葉芽、花芽

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芽枯細菌病
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新芽が伸長せず、黒褐色の芽枯症状となる ©木嶋利男

芽枯細菌病
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新芽の萎凋症状 ©木嶋利男


被害

主に施設栽培で発生し、露地栽培や育苗期はほとんど発生しない。保温開始3~4週間後の葉や花房の新芽が伸長してくる頃から3月にかけて発生する。はじめ新芽が伸長せず、黒褐色の芽枯症状や萎凋症状となる。やがて花芽は腐敗枯死して芽枯れ症状を示す。軽症の株は芽が枯死するが、3~4月頃になるとわき芽から新葉が展開して回復する。病株を切断すると芽や花房から褐変している。腐敗は新芽に限られ、クラウンに進展することは少ない。

発生

品種間の発病差異があり、女峰は強く、麗紅やダナーは弱い。施設栽培では保温開始までの曇雨天、深植え、株の軟弱徒長によって発病が助長され、ビニル被覆後は水滴が落ちやすいハウスの谷間で発生しやすい。汚染株が第一次伝染源となり、発病株からは保温前の葉かき作業で次々と伝染し、保温開始後に発病する。

防除

育苗圃は病原細菌が土壌から水滴とともに芽に入り、感染しやすくなるので雨よけのポット育苗とする。本圃では深植えを避け、風通しの良い高畦栽培にする。発病株の老化葉や被害芽は早めに摘除する。

薬剤(農薬)

登録薬剤なし。※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ

・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 イチゴの病害虫

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