診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
カンザワハダニ雌成虫は暗赤色で体側に暗色斑部を持ち、脚は白く体長は約0.5mm。卵は球形で、産卵直後は透明に近いが、ふ化に近づくにつれて赤味を帯びてくる。 ナミハダニ(黄緑型)雌成虫の体長は約0.6mmで、淡黄ないし淡黄緑色の胴部の左右に大型の黒色あるいは暗緑色の斑紋がある。紋の大きさは変異があり、胴部全体が暗緑色の個体もある。 ナミハダニ(赤色型)雌成虫の体長は約0.6mmで、体色は暗赤色である。形態はナミハダニ黄緑型に似るが、体色によって区別できる。
幼虫、成虫が葉裏に寄生して吸汁し、葉面に白い小点を生じることがあるが、品種間差があり症状が現れない品種もある。多発すると葉の生育が阻害され、株全体が萎縮した状態になり、葉上に網が張りめぐらされたクモの巣状になる。この場合、果実にも被害が生じることがある。
野菜類、花き類、果樹類など多くの作物に寄生し加害する。
促成栽培(9月上・中旬定植)では、育苗期後半、定植直後からミツバチ導入までの間、2番花が開花する前の1月上・中旬、密度の増加が始まる2月下旬〜3月上旬が薬剤防除の適期となる。ただし、ミツバチ導入後は、ミツバチに対する影響を考えて散布する。栽培中は圃場内にスポット的に発生することが多いため、発生状況をよく確認することが重要である。また、周囲からの侵入を防ぐため、圃場周辺の除草を徹底する。 近年は、薬剤感受性が低下し薬剤が効きにくいため、施設内では開花後のハダニ発生前にミヤコカブリダニを放飼し、近年は、薬剤感受性が低下しているため化学薬剤は効きにくいが、施設では開花後のハダニ発生前にミヤコカブリダニを放飼し、その後は少発生時にチリカブリダニを放飼する天敵利用による防除が期待できる。発生初期には、チリカブリダニを放飼する天敵利用による防除が期待できる。
アファーム、エコピタ、カネマイト、コテツ、コロマイト、スターマイト、ダニコング、ダニサラバ、テデオン、ニッソラン、マイトコーネ、ムシラップ、天敵(作物ごとに登録を確認して使用する)。ただし、カネマイトは新葉の葉裏に褐変症状の薬害を生ずることがあるが、その後の生育に影響は認められない。薬剤感受性が低下しやすいので同一系統の薬剤を連続使用しない。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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