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イチゴの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ネグサレセンチュウ類

Pratylenchus spp.
テイレンクス目プラティレンクス科

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ネグサレセンチュウ類
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クルミネグサレセンチュウ被害 ©三重県農業研究所

ネグサレセンチュウ類
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キタネグサレセンチュウ ©吉澤仁志


被害

イチゴではクルミネグサレセンチュウ、ノコギリネグサレセンチュウ、キタネグサレセンチュウの3種が知られるが、クルミネグサレセンチュウ以外の種によるイチゴの被害は明らかでない。クルミネグサレセンチュウは、土壌中の成幼虫が根の表皮を破って侵入し、皮層に寄生する。著しい寄生を受けた場合は根系全体が黒変し、腐敗、枯死する。株の生育は止まり、葉縁部が赤褐色に変色し、次第に葉の全体が紫褐色となり、ときには被害株が萎凋、枯死する。被害は促成栽培の2番果収穫以降に顕著になり、減収する。

被害作物

イチゴ、ほかにダイコン、ニンジン、ゴボウ、レタスなど。

発生

雌成虫は体長0.3〜0.9mm。土壌や罹病植物残渣中に生存し、好適植物が植えられると活動を開始する。1世代に30〜86日を要し、30〜38℃で生活環が最も短くなる。

防除

寄主作物を作付けしない。被害株は圃場外へ持ち出して処分する。土壌消毒を行う。エンバク野生種、クロタラリア、マリーゴールドなどの対抗作物を作付けする。

薬剤(農薬)

土壌消毒:D-D、キルパー、殺線虫粒剤:ネマキック、ネマトリン、ラグビー。※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 イチゴの病害虫

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