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イチゴの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ウイルス病

Strawberry crincle virus (SCV), Soybean dwarf virus (SbDV), Strawberry mottle virus (SMoV), Strawberry vein banding virus (SVBV)
《病原》ウイルス 《発病》株全体

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ウイルス病
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複数のウイルス感染による株のわい化症状 ©小畠博文

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わい化症状(中央) ©小畠博文

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野生種への接ぎ木によって現れたウイルス症状 ©小畠博文


被害植物

イチゴウイルス病には複数のウイルスが関与し、アブラムシ伝搬性の4種が主な病原ウイルスである。一種類のウイルスによる単独感染では栽培用のイチゴに病徴が現れない。複数のウイルスが重複感染すると、株がわい化して草勢が低下する。葉の黄化やねじれ症状が現れ、葉が小さくなって草丈が低くなる。ランナーの発生量も少なくなり、果実も小さくなる。感染しているウイルスの種類が多くなるほど症状が激しい。

発生

親株がウイルスに感染していると、ランナーを通じて親株から子苗に伝染する。イチゴケナガアブラムシは、主要な媒介虫であり、上記のウイルスすべてを伝搬する。ワタアブラムシはSMoVを伝搬し、モモアカアブラムシやジャガイモヒゲナガアブラムシはSVBVを伝搬する。

防除

病原ウイルスは親株からランナーを通じて子苗に伝染するので、本病に罹っていない優良な親株に更新する。親株用の原種苗は、野生種への接ぎ木やPCR診断によってウイルスフリーであることを確認した原々種株を用いる。原種苗の育苗はアブラムシの飛来を防止した網室内で増殖する。育苗圃では再感染防止のために薬剤散布を行い、アブラムシを防除する。

薬剤(農薬)

アブラムシ防除:ウララ、ベストガード、モスピランなど。※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ

・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 イチゴの病害虫

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