診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
被害部位は、主に葉、花であるが、密度が高くなると果実にも被害が生じる。花が咲き始めるまでは主に葉を加害するが、開花が始まると花に集まる傾向が強い。葉では葉脈間に白い斑点状の被害が見られ、この被害痕はミナミキイロアザミウマによる被害痕に比べると明らかに大きい。キュウリでは、時として果実にすじ状の被害痕が生じたり、曲がり果が発生することがあるが、通常果実での被害は少ない。
ウリ科作物の他、ナス科作物、マメ科作物、イチゴなど広範囲に及ぶ。
野外での越冬が可能であるため、圃場周辺の雑草に寄生している個体が発生源になることが多い。露地では4、5月頃から11月頃にかけて発生が見られるが、気温が高い夏季に発生が多い。施設では周年発生するが、気温が高くなり始める3月以降発生が多くなる。産卵は、主に葉などの組織内に行われる。幼虫は2齢を経て土中で蛹化する。25℃恒温条件下における卵から成虫になるまでの期間は約9日である。他のアザミウマ類と同様、単為生殖と両性生殖を行い、単為生殖由来の成虫は全て雄である。青色やピンク色によく誘引される。
耕種的、物理的防除法についてはミナミキイロアザミウマの項に準ずる。発生が多くなり始めたら、薬剤による防除を行う。なお、薬剤感受性が低下しやすいので、同一薬剤あるいは同一タイプの薬剤の連用を避ける。
アーデント、アクタラ、グレーシア、コテツ、スピノエース、ハチハチ、モベント等。作物によって登録内容が異なるので、使用に当たっては注意する。また、天敵やミツバチ、マルハナバチに対して影響の大きい薬剤が含まれるので、天敵やミツバチ、マルハナバチを導入する施設では、薬剤選択に十分注意する。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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