病害虫・雑草の情報基地

新規会員登録

防除ハンドブック、キュウリ、スイカ、メロンの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

スイカ果実汚斑細菌病

Acidovorax avenae subsp. citrulli

写真をクリックすると拡大します

スイカ果実汚斑細菌病
閉じる

子葉の裏に水浸状病斑を生じる

スイカ果実汚斑細菌病
閉じる

胚軸が軟化腐敗し枯死する


被害

育苗中から発生する。幼苗で発病すると、子葉の裏面に水浸状の小斑点を生じ、その後拡大して褐色の斑点となる。本葉には周囲が黄色の灰褐色~褐色の不整形病斑を生じる。また、胚軸が軟化腐敗し、枯死する場合がある。果実では、暗緑色~黒色、不整形で水浸状の病斑となり、病斑が拡大すると亀裂を生じ、泡状の細菌泥が出る場合もある。発病した果実を切断すると皮層部は褐変し、果肉は軟化腐敗している。

被害作物

スイカ、メロンで発生する。

発生

汚染種子が伝染源となる。病原菌は発病苗や保菌苗から、灌水や接触によって他の苗に伝染する。また、接ぎ木作業によって伝染する。本圃では、発病苗や保菌苗が伝染源となり、風雨や管理作業により他の株に伝染する。果実は、着果2~3週間目頃に最も感染しやすい。病原菌は、発病果の種子や果皮などの残渣で越冬する。

防除

本病に消毒済みの健全種子を使用する。接ぎ木ナイフ等は、接ぎ木する個体毎に次亜塩素酸カルシウム等で消毒する。苗を厳選し、健全苗を定植する。灌水は株元に行う。摘果、整枝等の作業は晴天時に行う。薬剤を予防散布する。発病株は直ちに圃場外に持ち出し適切に処分する。

薬剤(農薬)

カスミンボルドー、カッパーシン、キノンドー、ドキリン、リドミル銅。※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 キュウリ・スイカ・メロンの病害虫

目次へ戻る  | ホームへ戻る

稲の病害虫と雑草 |  ムギ類の病害虫 |  豆類の病害虫 | 
ジャガイモの病害虫 |  サツマイモの病害虫 |  アブラナ科野菜の病害虫 | 
  トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |  キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
   イチゴの病害虫 |  ネギ類の病害虫 |  菜園の病害虫 | 
カンキツの病害虫 |  リンゴの病害虫 |  日本ナシの病害虫 |
   西洋ナシの病害虫 |  モモの病害虫 |  カキの病害虫 | 
ブドウの病害虫 |  花の病害虫 |  難防除雑草