診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
成・幼虫の吸汁による生育抑制などの被害は、よほど高密度にならない限り問題にならない。しかし、排泄物に発生するすす病は、同化作用を阻害するだけでなく、果面を汚し、品質低下の原因となる。なお、メロンではタバココナジラミ(バイオタイプB)の寄生によって葉が白化する。オンシツコナジラミはキュウリ黄化ウイルスを、タバココナジラミはウリ類退緑黄化ウイルスを媒介する。
ウリ科作物の他、ナス科作物、マメ科作物など広範囲に及ぶ。なお、オンシツコナジラミはアブラナ科作物には寄生しないが、タバココナジラミはバイオタイプの違いにかかわらず、アブラナ科作物に寄生する。
発生は、露地では少なく、施設栽培で多い。施設栽培での発生は、苗による持ち込みや野外からの飛び込みから始まる。比較的栽培管理温度が低いキュウリでは、気温が上がり始める3月以降発生が多くなるが、栽培管理温度が高いメロンやスイカでは冬期でも増殖は激しく、時として多発する。産卵は葉裏に行う。ふ化幼虫は歩行するが、まもなく固着生活に入り、4齢を経て成虫になる。25℃恒温条件下における卵から成虫になるまでの期間は、タバココナジラミ、オンシツコナジラミ共に約23日である。成虫は黄色によく誘引され、黄色粘着板を圃場内に設置することで発生状況を把握することができる。
発生源となる圃場周辺の雑草を除去する。防虫ネットによる換気窓の被覆、UVカットフィルムの展張は成虫の侵入防止に有効である。発生が多くなるおそれがある場合には、薬剤による防除を行う。
アクタラ、アグリメック、アドマイヤー、アニキ、アルバリン・スタークル、ウララ、グレーシア、コルト、サンマイト、ダントツ、チェス、トランスフォーム、トレボン、ハチハチ、パルミノ・モレスタン、プリロッソ・ベネビアOD・ベリマークSC、ベストガード、モスピラン、モベント等。作物、コナジラミの種類によって登録内容が異なるので、使用に当たっては十分注意する。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
稲の病害虫と雑草 |
ムギ類の病害虫 |
豆類の病害虫 |
ジャガイモの病害虫 |
サツマイモの病害虫 |
アブラナ科野菜の病害虫 |
トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |
キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
イチゴの病害虫 |
ネギ類の病害虫 |
菜園の病害虫 |
カンキツの病害虫 |
リンゴの病害虫 |
日本ナシの病害虫 |
西洋ナシの病害虫 |
モモの病害虫 |
カキの病害虫 |
ブドウの病害虫 |
花の病害虫 |
難防除雑草