診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
成虫による葉の被害と幼虫による根部の被害が主であるが、成虫が果実表面を加害することもある。成虫は葉を円形に食害する。成虫による被害は、植物体が大きくなるとさほど問題にならないが、幼苗期には葉を食害されて生育が抑制されたり、葉を食い尽くされて植え替えを余儀なくされることがある。幼虫の発生が多いと根部だけでなく茎にまで食入するため、株が萎凋、枯死する。特に被害の多いのは、露地栽培のスイカ、メロン(マクワウリ類)であり、梅雨明け前後から日中萎れが見られ始め、梅雨明け後一気に枯死することも稀ではない。施設栽培では新成虫が現れる秋季に定植する作型で成虫による葉の食害が目立つことがある。
主な被害作物はウリ科作物であるが、インゲンやハクサイなどを加害することもある。
成虫態で越冬し、休眠明けの成虫が圃場に飛来してウリ類の葉を食害し、株元の土壌中に産卵する。ふ化幼虫は初めは細根を食害するが、成長するにつれて大きな根を食害し始め、ひどい場合には茎にまで食入する。幼虫は3齢を経て蛹化し、7月下旬~8月中旬にかけて新成虫が現れる。通常、年1回発生であるが、温暖な地域では、一部2世代目の成虫が9月~10月に発生する。
幼苗期にはビニルキャップや寒冷紗で囲って、成虫の飛来を防ぐ。シルバーポリフィルムによる畝マルチは成虫の飛来防止に有効であるが、作物が繁茂すると反射が少なくなり、効果が低下する。幼虫による被害を防ぐためには、播種時あるいは定植時の薬剤処理が有効。成虫の発生が多い場合には、薬剤による防除を行う。
アディオン、アルバリン・スタークル、コテツ、ダントツ、ダイアジノン、トレボン、モスピラン等。作物によって登録内容が異なるので、使用に当たっては十分注意する。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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