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豆類の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

インゲンマメ黄化病

Soybean dwarf virus(SbDV)
〈Yellows〉

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インゲンマメ黄化病
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発生圃場

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初期病徴、上葉から退緑・黄化する

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後期病徴、葉脈間が壊死して黒褐色になる


被害

通常、7月下旬頃から上葉より退緑黄化が始まり、次第に株全体が黄化する。病勢が進むと葉脈間が壊死を起こし、二次的にAlternaria菌等の腐生菌が着生して黒褐色を呈する。少発生時には圃場内に発病株が散在するが、激発時には圃場全面に及ぶ。類似症状を示す病害に根腐病があるが、根腐病は根部の褐変が顕著であり、株単位(1株2個体)さらに坪状に発生することで本病と類別。発病株では莢が着生せず、減収が顕著となる。ただし、7月上旬以降の感染は被害は少ない。

被害作物

インゲンマメ、ダイズ、エンドウ、シロクローバ等。

発生

ジャガイモヒゲナガアブラムシを媒介虫とするウイルス病で種子伝染はしない。媒介虫の有翅虫がシロクローバを吸汁して保毒、6月上旬から飛来し、発芽間もない幼植物を吸汁して感染を起こす。媒介虫は一度保毒すると生涯伝搬能力を有する(永続伝搬)が、インゲンマメでは増殖できないため無翅虫による二次感染は少ない。前年秋期および当年春期(4~5月)の好天は産卵密度増大と飛来有翅虫の増殖を促し、多発要因となる。金時系品種、「虎豆」は感受性、「大福」、「白花豆」、手亡類は抵抗性を示す。

防除

圃場周辺のシロクローバの除去。本種のある草地から離して栽培。アブラムシ防除。

薬剤(農薬)

アブラムシ類の防除薬剤参照。

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 豆類の病害虫

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