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豆類の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

インゲンマメかさ枯病

Pseudomonas syringae pv. phaseolicola
〈Halo blight〉

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インゲンマメかさ枯病
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初期病斑

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中期病斑

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後期病斑


被害

全生育期間を通じて発病。子葉では円形~不整形の水浸状病斑が現れた後、生育は停止して枯死。初生葉での発病が目につくが、初め黄褐色の微小な斑点を生じ、さらに進展して多角形の水浸状病斑となる。その周囲に黄色のハロー(暈)を生じ、株全体が黄化・萎縮する。本葉でも同様で、ハローは低温時に顕著。莢では水浸状の小斑点が拡大して大型病斑となる。多湿条件下では病斑部に乳白色の細菌液を漏出する。早期感染株ほど減収程度が大きい。インゲンマメの最重要病害。

被害作物

インゲンマメ、クズ。

発生

種子伝染し、これが主要な第一次伝染源。初発後は風雨や農作業を通じて健全株に伝搬され、圃場内で急激にまん延する。低温多湿時に病勢拡大が著しく、高温乾燥で抑制される。本病菌は罹病茎葉でも生存可能で、種子汚染の原因となる。生育適温は20~30℃である。金時系品種や「虎豆」は感受性、手亡系品種は抵抗性、「大福」は中間の反応を示す。3つのレースが知られている。

防除

健全種子の使用。種子消毒の実施。初発時の薬剤散布。病株の早期抜き取り。中耕除草等の農作業は晴天時に行う。

薬剤(農薬)

種子消毒:ペアーカスミンD。
茎葉散布:カスミンボルドー、カッパーシン、クプラビットホルテ、KBW、コサイド、コサイドボルドー、Zボルドー、ドイツボルドーA、ビティグラン、フジドー、ボルドー等。

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ

・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 豆類の病害虫

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