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豆類の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ダイズ紫斑病

Cercospora kikuchii
〈Purple stain, Purple blotch, Purple speck of seed〉

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ダイズ紫斑病
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莢の病徴、赤褐色の円形病斑を生じ、全面に拡大する

ダイズ紫斑病
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子葉の病徴、褐色の斑点を生じ落葉する

ダイズ紫斑病
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種子の表面が紫色に変色し商品価値を落とす


被害

種子、葉、茎、莢等、全株に発生する。種子では表面に紫色の斑点を生じる。程度に応じて種子の一部から種皮の全面が紫色に変色し、品質が著しく低下する。子葉には褐色の雲形状の斑点を作り落葉する。本葉には不整形や角形等の葉脈間に区切られた淡褐色の病斑を作る。葉柄や茎にも赤褐色の病斑を作り、しばし融合して全面に広がる。また、莢にも赤褐色円形の病斑を生じ、全面に広がると一部は枯死する。

被害作物

ダイズに発生する。

発生

全国で発生、種子の発病率は通常5~20%、まれに60%以上の発病も珍しくない。発芽直後から収穫期まで発生する。病原菌は被害種子中に越年し、保菌種子を播くと子葉等を侵して第一次発生をする。収穫前10日間位の気温が15~21℃と低温に推移し降雨が続いて収穫が遅延した場合、または、収穫後に高湿度の場所に放置した場合に被害が増大する。発病程度に品種間差異が認められる。

防除

種子は無病地で採取した健全な種子を用い、種子消毒する。被害茎葉は圃場に残さないよう収穫時に集めて焼却し、被害地は天地返しを行う。抵抗性品種を利用する。開花期頃から若莢期に1~2回薬剤を散布する。

薬剤(農薬)

種子消毒剤にはキヒゲン、クルーザーMAXX、ゲッター、トップジンM、ベンレートT、ベルクート、ホーマイ。
散布剤にはアミスター、クプロザート、クプロシールド、クミガードSC、ゲッター、撒粉ボルドー、サンリット、ジマンダイセン、シャフト、スクレア、スミトップM、スミチオンダコニール、生石灰、Zボルドー、デビュー、トップジンM、ニマイバー、ファンタジスタ、フジドー、プライア、プランダム、プロポーズ、ベルクート、ベンレート、硫酸銅、ワイドヒッター。
特にエダマメの種子消毒にはキヒゲン、クルーザーMAXX。 エダマメの散布剤にはクミガードSC、ゲッター、撒粉ボルドー、Zボルドートレボン、ニマイバー、ファンタジスタ、フジドー、プライア、ベンレート。
散布には、空中散布や無人ヘリによる散布などが可能な薬剤もある。地域や営農形態に合わせて薬剤を選択できる。

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 豆類の病害虫

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