診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
茎の地際部および上位の主茎や分枝に水浸状の条斑または楕円形の病変部を生じ、その後融合して茶褐色~暗褐色の大型病斑となり茎を取り巻く。病斑の表面は白粉状のかびで覆われる。病株は次第に活力を失い、葉は黄化・萎凋しついには枯死する。湿潤条件下では急速に萎凋枯死に至る。
病原菌はダイズのみに病原性を示す。
日本各地で発生するが北海道で被害が大きい。ダイズの生育全期で発生し、暖地では気温の低い5~6月および気温が低下する秋口以降に発生する。主に転換畑で発生する土壌伝染性病害である。レースの存在が知られアメリカでは25レース認められており、わが国でも幾つかのレースの存在は明らかにされているが、分布調査はなされていない。罹病残渣中の卵胞子が第一次伝染源と考えられ、翌春に気温の上昇に伴い発芽した卵胞子上に形成された遊走子のうは、降雨を待って遊走子を放出し、ダイズに感染する。ついで感染株上に新たに生じた遊走子のうから遊走子を放出し、ダイズ間に二次感染が起きる。多湿条件で発生が多く、灌水や冠水は発病を助長する。
輪作を行い罹病残渣を圃場に残さない。圃場の排水をよくする。発病の兆候が見られたら地際部を中心に薬剤散布を行う。
散布剤にはザンプロDM、撒粉ボルドー、Zボルドー、フェスティバルC、フェスティバルM、ブリザード、プロポーズ、ベトファイター、ライメイ、ランマン、リドミルゴールドMZ、レーバス、ワイドヒッター。
特にエダマメには撒粉ボルドー、Zボルドー、フェスティバルC、ライメイ、ランマン、レーバス。
種子消毒剤にはクルーザーMAXX。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)
・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ
・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ
・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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