診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
多発生畑では、播種または定植約1か月後に、坪状に生育不良となり葉が黄化する。根には長径約1mm、乳白色で粟粒状のシストが無数に着生している。葉の黄化はその後回復するが、生育不良で着莢数は減少して減収する。発生初年目は線虫密度も低く、顕著な症状は現れない。しかし、2~3年連作すると線虫密度は急速に高まって、減収を伴う激しい被害となる。
ダイズ、アズキ、インゲン。
土中に紛れ込んでいるシストと呼ばれる殻中の卵で越冬する。畑にダイズ、アズキ、インゲン等の寄主作物が栽培されると、根から分泌される物質の刺激によってふ化が始まる。ふ化幼虫は根に侵入して養分を摂取すると、雌は次第にレモン状に肥大し、頭部を残して根の外側に乳白色の虫体を露出する。雌成虫は数100個の卵を体内に保持した状態で死亡する。死亡した雌成虫はシストと呼ばれ、栗色に変わるとともに根から離れて土中に残る。
寄主作物は限られることから、連作を避けることによって多発生を未然に防止できる。ダイズには抵抗性品種が育成されている。また、クロタラリア、クローバ等の栽培は土中に生息するダイズシストセンチュウを低減する効果がある。
作物によって各種薬剤が登録されている。登録内容を確認して使用する。
各種豆類:クロルピクリン剤。
ダイズ、エダマメ等:ネマキック、バイデートL、ラグビーMC、石灰窒素(カルメ―ト等)、D-D(DC、テロン等)等。
アズキ:ネマトリン、バイデート等。
エダマメ:播種前混和バスアミド。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
稲の病害虫と雑草 |
ムギ類の病害虫 |
豆類の病害虫 |
ジャガイモの病害虫 |
サツマイモの病害虫 |
アブラナ科野菜の病害虫 |
トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |
キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
イチゴの病害虫 |
ネギ類の病害虫 |
菜園の病害虫 |
カンキツの病害虫 |
リンゴの病害虫 |
日本ナシの病害虫 |
西洋ナシの病害虫 |
モモの病害虫 |
カキの病害虫 |
ブドウの病害虫 |
花の病害虫 |
難防除雑草