病害虫・雑草の情報基地

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稲の病害虫と雑草

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

アゼナ

Lindernia procumbens
ゴマノハグサ科

全国に分布し、ごく普通に発生する。
スルホニルウレア系除草剤に対する抵抗性を持つ生物型が、アメリカアゼナと同様にほぼ全国的に見出されている。
近縁種で北アメリカからの帰化種であるアメリカアゼナとタケトアゼナで、アゼナの分布とほぼ同じ範囲で増加している。
両者をアメリカアゼナCタイプ、Rタイプとして区別しない場合と、前記のように亜種または変種に区分する場合がある。

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アゼナ
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アゼナは鋸歯のない全縁の葉を対生する

アゼナ
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アメリカアゼナでは葉の縁に鋸歯があり、葉の基部は中部に比べて著しく細くなる(アメリカアゼナCタイプ)

アゼナ
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タケトアゼナでは葉の縁に鋸歯があり、葉は中部から下で最大幅となり、基部はほぼ円形となる(アメリカアゼナRタイプ)

アゼナ
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水田で混生するアゼナ、アメリカアゼナおよびタケトアゼナ


被害

多発すると田面を覆うことがある。

生態

種子繁殖する広葉一年生雑草。種子は5〜10%の酸素の存在と明条件で発芽し、発芽に必要な気温は最低で11〜12℃である。このため、田面の露出などで好気的条件となり、かつ除草剤の残効が不十分になると発生が助長されることがある。
種子は湿田条件では5年程度で死滅するが、乾田条件では15年以上生存する。
湛水条件下から湿潤な土壌まで多様な土壌水分下で発生し、水田以外にも湿潤な畑や路傍にも見られる。

防除

アゼナ、アメリカアゼナ、タケトアゼナ、3種ともにスルホニルウレア系除草剤に対する抵抗性生物型の発現が知られている。
スルホニルウレア系除草剤を含む一発処理除草剤では防除できない場合には、アゼナに有効な成分を含む一発処理剤を使用するか、または中・後期剤を処理する。

収録:防除ハンドブック「 稲の病害虫と雑草

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