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稲の病害虫と雑草

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ヒルムシロ

Potamogeton distinctus
ヒルムシロ科

全国に分布し、普通に発生する。北海道、東北地方や関東地方以西の標高の高い水田に多い。

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ヒルムシロ
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ヒルムシロは長い茎から多数の小判形の葉を水面に出し、群生する

ヒルムシロ
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ヒルムシロの萌芽。数枚の線形葉の後に縁の縮れたリボン状の水中葉を着け、次いで小判形の葉となる


被害

繁茂すると葉が水面を覆い地温や水温を低下させる。また、多発すると水稲の養分を吸収し生育を抑制する。

生態

種子からの発生はごく少なく、直径3mmほどの黄色でバナナ形の鱗茎(殖芽)から発生する。耕起後の湛水に伴って萌芽し、初めは膜質で縁の波打つ水中葉を出し、後に小判型の浮水葉を水面に浮かべる。湛水条件で地表下10~25cmの深さからも萌芽する。生育中でも長い茎が切断されて増殖する。

防除

手取り除草の主流であった時代には除去の困難な雑草であったが、トリアジン系除草剤などの普及に伴って全国的に減少した。
一発処理剤により発生を抑制し、その後発生したらシメトリン等のトリアジン系成分を含む中期除草剤で防除する。
施肥窒素量の増加も減少の一要因とされる。

収録:防除ハンドブック「 稲の病害虫と雑草

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