診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
東北南部、関東以西の山間部とその近くに発生する。籾加害性は大きい。成虫がスギ林等の林床のシダ等で越冬し年2世代を経る。6月頃までメヒシバ、エノコログサ等イネ科植物に群生し交尾産卵する。一部個体群は7月後半から水田に移動し止葉や次葉の裏面に2〜30粒の卵塊を産み付け、以後11月にかけて成・幼虫が混在する。成虫は昼間活発に飛翔するが、夜間も灯火によく集まる。稲穂が固くなると、メヒシバなど雑草から吸汁し、のち越冬地に移動する。南西諸島以南では本種よりやや大きいタイワンクモヘリカメムシがいる。
本州以南に分布、被害は関東以西に多い。成虫越冬で年2〜3世代を経る。越冬場所は堤防、農道、草地のチガヤやススキ等のイネ科雑草、水田に近いスギやヒノキの樹冠部とされる。越冬後成虫は4月から7月前半までスズメノカタビラやスズメノテッポウ、カズノコグサ、ハルジオン等で生活する。雌成虫は寿命約130日の間に約150粒を産卵する。卵は1粒ずつ植物の葉上等に産み付ける。夏の卵期は6〜9日、幼虫期は約3週間。
北海道を除く本州中部以北に多い。普通、地面を歩行することが多い。年2回の発生で、畦畔雑草の株元や乾田ではイネの刈り株等で成虫で越冬する。4月中旬頃から活動を開始する。全く飛翔せず、地面を敏捷に歩き回り、植物上や地表面の雑草種子を吸汁する。春にはスズメノカタビラやスズメノテッポウ等に多い。産卵は、雑草の種子に1粒ずつ行われる。1雌は約200粒を産卵する。産卵期間は30〜40日にわたるので、発生時期にかなりの幅がある。7月下旬頃に成虫になり、早生稲に飛来し吸穂する。第2回成虫は、9月上旬ころ羽化し、水田を離れて畦畔等の雑草地に移って越冬する。
福島県以南に発生する。茎から吸汁するので草丈が伸びず分げつが少なくなり、葉に小白斑ができたり小穴があき縮葉や心枯れになる。ニカメイチュウの心枯れとは葉に生じる小白斑により区別できる。時に斑点米も発生させる。早植え・過繁茂・河川敷の近く・山間部・雑草繁茂田に被害が多い。暖冬年や夏季少雨年に多発する。水田域の雑草、落葉、稲株等で成虫越冬する。越冬後成虫は5〜7月に水田に侵入し、7月中・下旬に産卵する。9月上旬に羽化盛期、羽化後1〜2週間に越冬に入る。成虫寿命は10〜12か月である。
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