診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
成・幼虫が出穂〜乳熟期の籾に口針を挿し込んで吸汁すると、登熟せずシイナや屑米発生。黄熟期以降に吸汁されると斑点米になる。
カメムシによる斑点米は古くからあったが、玄米検査時に問題視されるようになったのは米の生産調整が行われるようになった1970年以降である。
カメムシ類の多くは成虫で越冬(カスミカメムシ類卵越冬)し、年1〜数世代を経過する。越冬場所は堤防、農道、草地のチガヤやススキ、ムギ等の避寒部で、一部水田に近いスギやヒノキの樹冠部や下草部などである。春先はメヒシバやエノコログサ等で過ごすが、イネの開花期頃から水田に飛来する。収穫後はメヒシバ等のイネ科植物に移動し越冬に入る。
飛来源の雑草は開花前に除去する。開花期〜穂揃期の広域一斉防除が効果的である。多発時には7〜10日後に2回目の散布を行う。
育苗箱施用剤はジノテフランを含む剤(アトラクトン、スターダム、ゴウケツバスター、ハイパーキック)、チアメトキサムを含む剤(デジタルメガフレア等)がある。
本田散布剤にはアクタラ、キラップ、エクシード、エミリア、エルサン、スタークル(アルバリン)、スミチオン、ダントツ、チェス、トレボン、ベストガード、MR.ジョーカー等。
イネクロカメムシ防除には育苗箱施用剤にアドマイヤー、グランドオンコル、スタークル(アルバリン)、デジタルコラトップアクタラ、プリンス。
本田散布剤にマラソンがある。
休耕田のカメムシ防除にはエクシード、キラップ、スタークル(アルバリン)、スミチオン、ダントツ、トレボン、バイジット、MR.ジョーカー等がある。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)
・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ
・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ
・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
全国に分布する。多食性でイネのほかテンサイ類、マメ類、タバコ、キク類等多くの植物を寄主とする。
全国に発生し、イネのほかマメ類、野菜等多くの作物を加害する。年2世代で成虫が日なたの常緑樹の茂み、くさむらや落葉の間で越冬する。4月以降、雌は数回交尾し、7月上旬まで計100〜200卵を数卵塊に分けてマメ科植物に産み付ける。第1世代成虫は6月下旬に発生、夏の卵期は4〜6日、幼虫期は20〜27日で5齢を経て成虫になる。第2世代成虫は9月下旬から出現し交尾せず越冬に入る。
和歌山以西に多く1955年以降早期栽培が普及してから目立ってきた。日なたの草地で成虫越冬する。4〜5月に活動を始め、6月上旬に早期稲が出穂すると飛来する。成虫寿命は、越冬期は約3か月、夏は約50日、産卵期も長く世代が重なる。卵期は5〜7日、幼虫期は25日である。日中に交尾し止葉に産卵する。1卵塊は40〜50、1雌産卵数は約200粒。多食性である。
東北南部以南に多い。成虫が雑草間で越冬する。4月以降はエノコログサやチガヤ等のイネ科植物で生活する。7月にイネに飛来して交尾し、10数卵を1〜2列に葉裏または葉鞘に産む。約3日後にふ化した幼虫は約40日後の9〜10月に成虫になる。暖地ではもう1世代を経ることがある。
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