診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
福島県太平洋岸地帯まで越冬可能で、その地域以南で被害が目立つ。多肥・晩期栽培、直播栽培で茎葉は軟化し被害が多い。ふ化幼虫は葉を筒状に丸め、成長すると夜間に食害する。また葉を数枚綴り苞(つと)をつくるのでイネツトムシと称す。8月中旬に全葉が食害されると約50%、半分が食われると約10%の減収になる。
全国に分布し、年3~4回発生する。暖冬年は越冬幼虫が多く、夏の発生が多い。5月に成虫になり、早期稲に産卵する。発生予察はヒャクニチソウやアカツメクサ等の誘致花に集まる成虫を数えて行うが、最近は濃青色・香料誘引箱や黄色粘着板を利用した成虫捕獲が予察に利用されている。
早植えや窒素少施肥で発生を回避する。8月上旬の株当たり若齢幼虫1~2頭が防除の目安。
育苗箱施用剤にはアレス(ブエノUN)、グランドオンコル、スピノエース、パディート、フェルテラ、プリンス、ヨーバル等。ほかの病害虫に有効な剤を含む混合剤が多数ある。
育苗箱への灌注剤にはミネクトスターがある。
直播種子処理剤にはヨーバルがある。
本田散布剤ではスミチオン、ダントツ、ディアナ、トレボン、パダン、BT剤(エスマルク、チューンアップ)、MR.ジョーカー、ランナー、ルーバン、ロムダン。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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